sametimeme's diary

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ベンチャーを志すなら大企業に学べ

要約

ベンチャーブームの時から一部では言われ続けていたが、タイトルの通り、ベンチャー企業で成功を志すなら大企業に学ぶ所が多いよという話である。

ベンチャー企業のジレンマ

いわゆるベンチャー企業というのは、大抵以下のジレンマを抱えがちである。ベンチャー勤務の経験がある人、もしくは身近にそういう人がいる人はなんとなくイメージできるのではないだろうか。

  • オリジナリティ溢れる独創的なビジネスがしたい
  • でも、そもそもありふれたビジネスをよく理解していない
  • 地道なルーチンワークじゃなくて、頭を使う刺激的な仕事がしたい
  • 地道なルーチンワークなくして、ビジネスの拡大はありえない

  • 自分の頭で考え、決断できるリーダーシップを持った人材が欲しい
  • そういう人材は得るものだけ得たらすぐに去っていく決断をする
  • 気の合う仲間と真剣にビジネスをしたい
  • 気の合う仲間とはぶつかりあう議論をやりにくい(結論を出しにくい)
  • 自分の信じた道を信じた方法で突き進みたい
  • 小規模ビジネスで柔軟性を失う事は致命傷になりうる
  • 何者にも縛られずに仕事したい
  • 数少ない社員が勝手気ままに行動して経営にならない
  • みんなで力を合わせればきっとうまくいく
  • 個々人の良さが殺されてしまい会社も死んだ

などなど。

僕は、自身もだが多くのベンチャー企業の経営者に接してきたし、実際にそこで働く多くの社員と接してきた。彼らのビジネスや顧客を見守り、その行く末を見届けてきた。その経験から言うと、上記のようなジレンマはどこのベンチャー企業にも存在し、また、そのそれぞれ一つのジレンマだけでも、対応を誤ると会社を潰すほどの重大な問題を引き起こしかねないようなジレンマだ。

僕は上記のそれぞれ一対のジレンマについて、一冊の本が書けるほど言いたい事がある。起業を経験した人は、きっと同じように、それぞれについて数時間は語れるほど身に覚えがあるだろうと思う。

どう解決するのか?

ただ、どれにも共通して一つ断言できる事がある。これらのジレンマのそれぞれに上手く回答し、それをインプリしていく経営者になるためには、絶対に求められる者がある。それは、社会経験というやつだ。

社会経験を積めば、それぞれのジレンマについて、どのように回答する事がどのような結果をもたらすか、過程で何が起こるか、というのがおおよそ朧気ながらも見えてくるような気がするのである。社会とは人間で構成される組織の集合体である。そして同じ人間で構成されている以上、どの組織にも通じる現象や原理というものがあり、それを体得していくのが、社会経験を積むという事である。

大企業が一番効率が良い

この社会経験を積むのにもっとも効率のよい場所、それは大企業である。大企業は、連綿と続く優秀な経営者、管理職たちにより徹底的に効率化され、管理される。その中で、組織とはどう運営されていくべきか、経営戦略とはどのように決定されどのように社員に共有されるべきか、どのようなトラブルがどの部門で発生し、誰がどう解決するのか…といった宝の山のような情報を、身内としてあらゆる方面から入手する事ができるのだ。

これを最良の社会経験と言わずしてなんと言おう。

上記のジレンマはとうの昔の大企業が乗り越えてきた、しかも正解を回答して乗り越えてきたものだ。そう、そもそも多くの大企業も、かつてはベンチャー企業に過ぎなかった。ジレンマに囚われ会社を潰したくないベンチャー起業家は、堂々と、恥ずかしげもなく、大企業がそれらをどのように乗り越えたのかを研究し、真似すればよいのだ。

青い愚かな理想は捨てろ

盲目的な理想に突き動かされベンチャーを起業したり、ベンチャー企業に就職する者は愚者である。理想や情熱だけでは乗り越えられない多くのジレンマが、ビジネスのあらゆる所に潜んでいる。例えば請求書の発行の仕方一つにしても、数多くの暗黙のルールや慣例が存在するし、そんな些細な行為にすら間違いが許されない場面だっていくらでもあるのである。

愚者の多くは大企業やそこでの働き方を嫌悪する。歯車の一員だ、生ける屍だなどと揶揄し、軽蔑すらする。が、そういう愚者の多くは歯車の歯の不良品であり、生ける屍にもなれない腐った屍にすぎない事が殆どだったりするのだ。愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶという。大企業とは、とりもなおさずビジネスの歴史本そのものなのであるといえる。