sametimeme's diary

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LINE気に食わん(グローバル版)

 日本のみならず海外でも大人気な通話・チャットアプリ、LINE。ほんとに、アジアだとどこの国に行っても、電車や街中で必ず通行人がLINEの画面を開いて、ポチポチやっている。社名もLINEになり、上場を視野に入れ、今やFacebookの後を追おうかという飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 日本で流行りだしたのっていつごろだったろうか?去年の頭あたり?その頃から友人数人が使っていて何度かお誘いを受けたりはしていたが、電話番号で登録するというのが気に食わずなんとなく避けていた。そして、その判断は正解だったと、今でも思う。

 LINEはアプリの仕様として、友達を見つけるために自身の電話帳データをサーバーに保管し、さらにそこに登録されている人間の電話帳データもあれば、そこからさらに情報を引き出して各ユーザーへと還元するという。たしかにこれはFacebook等で友達かも?とかってSuggestしてくる機能と同じような役割をしているが、データのプライバシー度合いが全く異なる。

 ただのアカウント情報と、電話番号、氏名の情報とでは、全く情報の重みが違う。

 今では大分改善されてきたが、当初のLINEはこういうのをユーザーへの通告なく勝手に行っていた。さらに、通告しても自分で電話帳のUPLOADをするかしないか選択できるようになるのも時間がかかっていたし、しないと選択していても勝手にされてしまうというとんでもないバグもあった。(これは今でも半分故意でないかと疑っている。)

 さらにそのバグに関する説明も謝罪もウヤムヤなまま、しれっとバージョンアップして何も無し、という対応だった。

 LINEのユーザーは、スマホのライトユーザーが多いだろう。だから、こいうのにもおおらか、というか、慣れていないのだろう。企業の姿勢として、これらの行動に対してこの程度の対応というのがどれだけいい加減なものであるか、ユーザーを軽視したものであるかが、実感として分からないのだ。

 だが、分かる人はわかっている。僕の周りには何人も、ただの「詳しい」というレベルを遥かに超えたITやガジェット、組み込みOS、iOS、その他もろもろに精通した友人が何人かいるが、そういった友人の中でのLINEの使用率は半分以下だった。理由をたずねても、やはり企業が信頼できないという事だった。

 しかし、LINEはもはや老若男女とわず、スマートフォンのコミュニケーションツールの代名詞となってしまった。会社や学校ではLINEグループがあちこちで発生して、そこから爪弾きにされる『LINE八分』の問題が起こっている。さらに、重要な業務連絡や諸連絡をLINEで済ますがために、全員に必要な情報が行き渡らないという事もありうる。(僕の仕事で何回かあった。)

 僕は職業柄、色々なカンファレンスやセミナーに顔を出す。企業経営者から技術者、メーカー営業の責任者・担当者には国籍を問わず多数接する機会があるが、だいたい親しくなったら(もしくは親しくなりたいと思われたら)、次にLINE IDを訊かれるのだ。ある企業には、ブースに行って最先端監視カメラの仕様について尋ねただけで、そこの受付のねーちゃんから後日挨拶状と共にLINE IDを訊かれるなどという事もあった。

 「持ってない。LINEやってないから」

 というと、みんな一様になぜだ!?日本の会社が作ったんでしょ!?という反応をする。それは半分正解で半分間違い(そして可愛らしいStickerの作者は韓国人)なのだが、日本のものだからこそ、日本的な感覚との大きなズレを感じて、不気味で使えない。

 LINEが有るのと無いのとでは、今やコミュニケーションレベルに大きな乖離が産まれてくる。そこを損なうのはかなりの損失だと僕は分かるし、チャンスロスだとも考える。だが。それでもはやり、気に入らないものは、気に入らないのだ。僕の電話帳データには、結構いろんな企業や団体のエライさんが入っている。メディアやマスコミ関係者など影響力の大きい人達の番号やアドレスも多くあり、気軽にホイホイリスクに晒せるような内容のものではない。LINE専用機を用意するほどの気力もない。

 GREEやMIXIが流行った時とは、グローバル展開のスピードの部分で大きく異る。また、電機産業界でマーケティングや開発力で日本に大きく水を開けた韓国企業の主導というのも、シェア拡大に大きな意味を持つだろう。

 LINEは突出して素晴らしいアプリである。経営戦略も、過去の類似サービスとは違って非常に期待の持てるものである。次々と勝負手を打ち、ためらわない。かといって足元が弱い訳でもなく、人材もマスコミ戦略も素晴らしい。…だが、僕は嫌いなので、絶対に使わない、という独言でしたとさ。