sametimeme's diary

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辞めたがり若手サラリーマンは、会社のつまらない飲み会に参加しとこう

 前時代的会社制度でよく言われるのが、飲み会や忘年会の強制参加。意味なく上司の愚痴を聴いたり同じ話を延々と繰り返されたり、はたまたおもしろくもなんともないネタや芸を使い回しして盛り上がっていたり・・・と、一体何がおもしろいの!?と疑問に思っている人は多くいるであろう。

 別に会社の人と行かなくても仲いい友達と行くし・・・、つか、お酒飲めないし・・・。みたいな理由で飲み会を断り、先輩方が眉をひそめたのを見て見ぬふりをしている若者は多い。飲み会に行かないくらいで評価されないんだったら、それでいいよ、と達観しておられる若者も少なくなかろう。このあたりで行き詰まって、会社を辞めたい辞めたいとボヤく人を、僕はたっくさん見てきた。

 が、タイトルのとおりである。むしろ、飲み会も参加できない新人なんて、会社や組織にとって役立たずである。仕事がものすごくできようが覚えが早かろうが、そんな事なんかよりよほど大事な問題なのである。

 そしてたいていの新人は飲み会の幹事を押し付けられる。だから余計に面倒臭がって参加しないという人もいるのだろうが、これは仕事の一部と考えれば良い。残業代も出ないからアホらしい?という意見こそアホらしい。極上の社会勉強が飲み会の参加費程度で済んでラッキー、くらいに考えるべし。

 飲み会の参加及び幹事に必要なスキル

 ・スケジュール調整能力
 ・そもそも人に嫌われていない程度の普段の振る舞い
 ・多人数間の利害調整能力
 ・情報収集・引き出し能力(店の選別)
 ・決断力(日時・場所)
 ・コスト意識
 ・食の知識
 ・酒の知識
 ・その他一般教養
 ・時事ニュース、時事ネタ
 ・エンターテイメント性
 ・傾聴スキル
 ・まとめスキル
 ・流すスキル
 ・拾うスキル
 ・記憶スキル
 ・会計スキル
 ・空気を読むスキル
 ・忘れ物予測・対応スキル

 ・・・と、すぐ思い浮かぶだけでこれくらいのスキルを活用して初めて飲み会や忘年会とは成功するものなのだ。言い換えると、あなたがこれまでに参加して楽しかった飲み会や忘年会というのは、誰かがこういうスキルや知識を身につけて、もしくは発揮して企画した成果物だったのだ。

 若いうちに飲み会に参加し、飲み会を主催しておかないと、こういうスキルはどうしても身につかない。一見簡単なのでやらなくてもできるでしょ、くらいに構えていると、いざ必要になったときに何もできない自分に愕然とする事になるだろう。簡単そうに見えて、実はそれぞれがとてもとてもむずかしいのである。いちいち文章などに残すまでもない本当に細かい細かいコツや落とし穴が無数にあって、それらを身体で覚えていくことで、人は成長するのだ。

 僕が若いビジネスマンと仕事で付き合っていて、こいつまだまだ未熟だなぁと思う時、たいていは上記のスキルのどこかが欠けているような事が多い。逆に、こいつ若いのにスゲエなー、と思う時、上記のようなスキルがきちんと身についており、かつ応用が効いている、という事が多い。無論、英語や業務知識は前提条件として、である。これらは必須であるが、それだけでデキるビジネスマンには、なれないのである。

古臭い?

 こういう習慣は古臭い?時代遅れ?非論理的?そういう指摘も多く有るだろうが、実は古臭い習慣程最も信頼できる習慣なのだ。じゃあ、若い人は、古い事ならなんでもいいのかと詰め寄るだろう。…実は、大抵は、それでいいのである。

 日本に成果主義は根付かなかったし、それによる弊害の方が目立ってきている。今や会社で社員旅行などに行く所は少なくなってきているだろうが、それが社員同士の私生活を秘密のものにし、金や仕事でなく、会社や同僚への情の部分が薄れている。フレックスタイムにした結果、必要な会議が必要なタイミングでなされない事もある。社内公用語を英語にした結果、隠れキリシタンのように日本語を使って重要なコミュニケーションを取らざるを得なくなってしまう。

 反面、たとえば税制や年金、法律などの制度というものは、スタティックなものである。時代によって変わる必要があるし、変わらないと生き残っていけない。だが、いわゆる飲み会の習慣のようなコンテクストは、長い時代を経て生き残ってきただけの価値を孕んでいるものなのだ。

 それを、時代遅れだとかいって蔑ろにするのは良くない。武道でも茶道でも華道でも「お稽古」という概念があるが、まさに飲み会参加や幹事ワークというのは、社会人としてのお稽古なのである。これが、僕が飲み会に参加もしないような人間は組織に必要が無いと言う理由だ。

 研修や生活で必死の社会人一年目よりも、仕事もだんだん見えてきてある程度幹事ワークを任されるようになった2,3年目の社会人が最もつらい、辞めたいと思う時期であろう。だが、お稽古というのは大抵辛いし辞めたいものである。それが必ず自分の明るい将来につながると考えて間違いない。もしも今、あなたがくだらない飲み会や幹事ワークで忙殺され、転職を考えている2,3,4年目の若手であれば、お稽古と思って諦めなさいと、今の僕なら迷わず言える。