sametimeme's diary

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ブラックでない企業などない

某居酒屋チェーンがすっかりブラックというイメージがついてしまって久しい。思えば僕の就職活動の頃から、ブラックとしてその地位を盤石なものとしている企業・業界はいくつかあったように思う。2chの就活スレ等でも頻繁に起業ランキングやブラックランキングが貼られ、多くの人がそれを見て種々の参考にしていたことであろう。

<例>…これは2015卒用の理系のランキングらしいが、こう見ると今も昔もたいして変わらないんだなあ、と思う。社会人を10年近く過ごした今となっては、もはや笑ってしまうような内容でもあるのだが、当人たちは必死で、大真面目である。自分がいま進めている選考の偏差値がいったいいくつなのか、というのが気になって仕方がないのである。

理系就職偏差値ランキング2015 Part6
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/recruit/1390200065/-100

1: 就職戦線異状名無しさん 2014/01/20(月) 15:41:05.02
■■■2015年卒用 理系就職偏差値ver1.0■■■

70 IBM(基礎研) Google(ソフトウエアエンジニア) Intel JAXA
69 上位研究所(MRI/NTT持株/豊田中研/鉄研/電中研/産総研) 武田薬品
68 上位金融(数理専門) NHK(放送技術)
67 JXエネ Microsoft JR東海 第一三共
66 キーエンス ドコモ(中央) 新日鐵住金 トヨタ アステラス エーザイ INPEX TV局(NHK地方局除く)
65 JR東 サントリー 味の素 アサヒ キリン 東ガス 昭和シェル 旭硝子 ANA(技術) 花王 日揮 任天堂 三菱重工
64 JR西 日清製粉 三菱化学 東燃 信越化学 日産 JFE ☆ホンダ
63 JT 電源開発 日清食品 大ガス 中電 出光 住友鉱山 GE 住友電工 JX金属 コマツ
 KDDI 東レ 住友化学 千代田化工 キヤノン デンソー バンダイ JAL(技術) 川崎重工 富士フイルム 日立
62 ニコン 資生堂 ユニチャーム SAP 東邦ガス 地方電力 関電 豊田自動織機
 SCE HP 日本IBM(SE) NTTデータ 三井化学 旭化成 日東電工 ゼロックス IHI 明治 三菱マテリアル ソニー 三菱電機
61 昭和電工 板硝子 東洋エンジ NTTコミュ 大手ゼネコン 東芝 帝人 JSR パナソニック
  サッポロ 王子製紙 古河電工 ファナック 三井金属 神戸製鋼 NRI
60 NTT東西 HOYA ダイキン 日本製紙 コニカミノルタ 富士通(非SE) 住友重機械 カシオ DIC
  宇部興産 積水化学 マツダ 浜松ホトニクス 森永製菓 ソニーモバコミュ クラレ 大陽日酸 リコー ヤマハ
59 エプソン ヤマハ発動機 ブリヂストン テルモ DNP 凸版 クボタ 日新製鋼 村田製作所
  日立金属 フジクラ 三菱瓦斯化学 東ソー カネカ 日立化成 住友ベークライト 島津製作所
58 富士重工 京セラ オリンパス オムロン NEC アイシン ダンロップ スズキ
  大同特殊鋼 DOWA 日本軽金属 トクヤマ 日本電気硝子 三菱レイヨン
  日本触媒 日本ゼオン 日産化学 関西

このランキングを眺めていて思うのは、評価軸というおうか、クライテリアといおうか、要は価値観がバラバラなのである。給料だったりやりがいだったりスケールだったりマターリ度であったり、いろんな要素が散りばめられてバラバラのものさしで図った偏差値を振り分けている。

大切なのは、自分のものさしをもつ事である。

具体的な数値やイメージで、リアルなものさしを思い浮かべていればいる程、優先すべき企業というのが見えてくる。

このランキングは、学生がなんとなく好きそうないろんな要素をごっちゃ混ぜにして、なんとなく比重をつけて、なんとなく分布させて、標準偏差を取ったというとてもあいまいであやふやな割には、結構世間の空気というか共通理解を捉えていてよく出来ている、と僕は思うのだが、しかしやはり、受け手はこれを信じてはいけない。自分の脚で一次情報を集め、自分のものさしを用意してそれらを評価する事で、初めて本当の事らしいものが見えてくるのである。例えば、ココに載っていないが、載せるとすれば最上位にいくような隠れた優良企業は山ほどあるが、そういうのを見つけられる様になるのである。

さて、

企業なんてどこもブラックだ

と言ってしまうと暴論であるし決して正しくないのだが、学生諸氏には認識を改めてほしい所である。企業なんて、どこもブラックで大差ないのである。べつにワタミだけがサビ残や過労死を産んでいるわけではなく、むしろ絶対数でいえば大企業のそれには到底叶わないであろう。

大企業も中小企業も、ほとんどの経営者は、必死である。

必死にもがき苦しみながら経営をしているのである。街中では『社長さん!』と噂され、いいクルマにのっていいスーツを着ていたとしても、たいていの社長さんとやらは、顔色を白黒させながら舵をこぐ船頭のようなもので、船が前に進むように、というか沈まないように必死になって水面をパシャパシャやっていて、そこに好き勝手に乗り込んでくる若造達が、知ったような顔で、『ここってブラックだったかも』とかって言っているのだからたまらない。

上のランキングにのっているような一流企業と呼ばれるところも、もちろん必死になって経営されてきたからその地位を保っているのである。企業を経営するという事には、それを体験した者しかわからない感覚がある。そういう人達からすれば、二言目にはブラックだなんだとほざく就職活動生や若手社員は、さぞかし青臭く映る事であろう。

ブラックだとかなんとか言われようが、会社とその社員と、その家族を守るためなら社長は鬼にも悪魔にもなるし、そうあるべきなのである。僕はそういう人を、ブラック企業の社長だなんだと責める気にはあまりなれない。それくら必死な社長だらけの方が、むしろ社会経済としては健全な状態であるとすら思う。決して違法行為を容認するわけではないが、本当にヤバい会社だと思ったら、従業員は辞めればいいのである。それは従業員の権利でもあるし、そうする事でダメな企業は淘汰されていく。

経営者こそブラック

企業の使命は利潤の追求である。この使命を追求しようとすればする程、ブラックに近づくというジレンマを抱えながら、今日も経営者は苦悩する。孤独な彼らの闘いを称えるものはほとんどおらず、わずかばかり同じく苦悩する経営者仲間が慰めてくれるのみである。

休みもない、失敗すれば何人もの生活を奪う、常にプレッシャーがある、あらゆる方面に頭を下げ続ける必要がある。残業代なぞもちろん無いし、給与が安定する保証などどこにもない。

…まさに、経営者こそブラックの最たるものであると言ってよい。

明日(金)も、明後日(土)も、明々後日(日)も、必死の形相で舵を取り、船を前に勧めようとするのである。彼らの征く海の向こうに、どうか幸あれ。

 

※ご参考:ブラック企業大賞 -Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%A4%A7%E8%B3%9E