sametimeme's diary

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『マインドセット』をシフトさせよう

とカタカナで書いてしまうと何やら怪しげな文言になってしまうのだが、僕がキャリアチェンジをした時に相談をした先輩から教えられた、とてもとても参考になったアドバイスである。

マインドセットってなんぞや。

 

人は意識していてもしていなくても、何かの仕事をするときには自分の精神状態をその仕事上の役割に合わせて組み立ててから仕事をする。要するに、非常にリアルに役割を演じているのだ。お遊戯とか演劇と違うのは、その役割は不変で日常的という所で、簡単に言えば仕事とは、与えられた役割を期待通りに演じきる事だと言える。

あまりピンとこないだろうか、例えば、アメリカのある大学の実験でとても有名な話がある。

監獄実験
学生を、囚人役と看守役に分け、擬似的に刑務所を作成し、そこでお互いの役割を演じさせた。囚人役の学生を牢に入れ、看守役の学生に監視させる。拘束具や入監時の手続きなどをリアルに再現させ、実際に収監されるときのように服を脱がされたり消毒薬をぶっかけられたりと、細部にはこだわっていた。

が、たったこれだけである。役割を演じるだけである。これを、二週間ほど続ける予定だった。

ところが実験は6日間で中止された。なぜかといえば、この短い期間に囚人役の学生が二名発狂し、さらには看守が囚人に屈辱的な行為を強いたり、ついには暴力を行使し始めたからである。おどろくべきことに、この実験の管理者である大学教授ですら、この状況にあってもなお実験を継続しようとしていた。

この実験はとても重要な事実を表している。それは、人の社会性とは役割に応じて選択される振る舞いであり、それはコントロールが難しく、無意識に行われるという事だ。

このときの囚人役の学生、看守役の学生がそれぞれ役割を演じるにあたり行動理念の前提においていたものが、すなわち、マインドセットというやつだ。

おれは囚人だ。俺は看守だ。だから卑屈だ。だから横暴だ。等々、各々のマインドセットは想像よりもはるかに早く、ただの演技から本当の意識へと刷り込まれていったのである。

マインドセットがあなたをコントロールする

つまりは、マインドセットを自身でコントロールする事により、その後の自分の動作を制御する事ができるのである。

僕にこれを教えてくれた先輩は、もともとはやり手の銀行マンであった。ところがその後コンサルタントにキャリアチェンジし数々の実績を積み上げながら今に至るのであるが、やはりマインドセットを変えるのには相当苦労したという。

当事者でなく、観察者。そして、監督者。外部の人間であり良きアドバイスを与えるべき人間。当然ながら着目するデータも変わってくるし、日々収集する情報も変わってくる、さらには付き合う人々、行くレストランまで変わってくる。

彼は、後輩の多くがこのマインドセットのシフトをうまくコントロールできずに、コンサルタントから脱落していったのを見た、と言っていた。それくらい、難しい事なのである。長い間に現場で経験を積んだ人間ほど、難しい。現場の人間のマインドセットでは、どうしたって役に立つコンサルタントにはなりようが無いのは、僕も今ならよーく分かる。

あなたのマインドセット、いかに。

これを読んでいる貴方のマインドセットはどうだろうか?与えられた、もしくは自分で選択した役割に準じたマインドセットに基いて、仕事や勉強をしているだろうか?

特に、最近キャリアチェンジを断行したという人は、環境の変化にはもちろんだが、自分自身のマインドセットのコントロールに苦労していて、思った以上に上手くいかない事が多くてひょっとしたらキャリアチェンジを後悔したりするのかもしれない。

そんなとき、一人静かに精神を安定させられるような事をしたり、考えてみると良い。

楽器をしたり、散歩をしたり、山に登ったり、本を読んだり、お気に入りの映画を見たり、座禅をしたり、礼拝したり、ベッドの上で静かに目を閉じて身体を横たえたり。

まずは自分のマインドセットをしっかりと決め置く時間を作るようにして、そこを起点にして考えたり決断してみたりするようにすると良い。ふらっと海を見にいって砂浜に座って、のんびりとお茶でも飲みながら雲を眺めたりするのも、いいのかもしれない。

きっと、そのマインドセットはすぐにあなたの意識に浸透して、やるべきことに対して高いモチベーションを持って当たることが出来るようになるだろう。

人は仕事を創り、仕事は人を作るという。僕はこの言葉が大好きだ。

次にキャリアチェンジをするのはいつだかまだ分からないが、しばらくは今の僕のマインドセットと共に歳を重ね、経験を積んで行こうと考えている。


僕はどこにでも居る普通のサラリーマンであった。しかしある時他人と違った選択をして、日本を飛び出した。苦労もしたしいろいろな人からいろいろなコメントを頂戴したが、しかし、今、自分は自分の選択を後悔していない、ということがとても誇らしい事だと考えている。