sametimeme's diary

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気持ち悪い起業家群

起業し事業を運営していると、やはり同じような仲間が集まるものである。日本であれ海外であれそれは同じなのだが、困ったことに、その中にとっても気持ち悪い人達がたくさんいたりする。

例えばどういう人達かというと、

 ■ やたらキレイ事ばかり言う人達。

俺達が社会を変える、だとか、世界の問題を劇的に改善する、だとか、誰も考えたことのないイノベーションを起こして世界を変える、だとか、どこかの雑誌に書いてたような言葉を並べて、起業しているだけで自分があたかもその流れの当事者になっていると錯覚している人達。

スティーブ・ジョブズが亡くなってからは彼の一部分を劣化コピーしたような起業家が、グローバルで多発したと思われる。

でかい口を叩く割に、やってる事をきいたらITコンサルティングなどと答える。それって何?と聞くと、WEB制作の受注だとかFacebookマーケティング(ファンページ作るだけ)だとか、サーバー管理の代理だとか、そういうのを個人か、もしくは共同創業者という名のワーカーと役割を分担してやっているだけだったりする。

僕はITなのでIT関連の起業家のでかい口は見抜けるのでいいのだが、こういう輩は不動産でも、食品でも、医療でも、必ず存在する。自分を尊大に見せ、話を誇張し相手の期待をふくらませる。要注意な人達だ。

んで、こういう人達に限って、多くの人の目に触れるのである。免疫が無い人はコロッとダマされる。世の中はこういうものだと言ってしまえばそれまでなんだけども

■ 結果が全く出ていない、向いてない人達。

起業にも向き不向きというのが当然ながら存在して、ほんとにこの人向いてないなあ…と思われされる事がある。他人の気持ちを汲むのが苦手だったり、人に取り入るのが下手だったり、単純に考えが浅かったり。自分を客観視できていない、と言葉で言ってしまえば簡単だが、いろいろなパターンがある。

とりわけ、このタイプは大企業出身者に多い。自分は数億円の取引を動かした経験があるのだから、独立しても大丈夫だろうとか考えてしまうタイプである。

が、大企業だからこそ一社員でも数億円の取引ができたのであって、個人の能力などあまり関係ないのである。むしろ、能力の低い個人に大きな取引を効率よくさせるのが、大企業の本質と言える。そこを勘違いして、営業成績がダントツだったとか、技術者として何度も表彰を受けただとか、そういう『大企業での実績』を、『自分の能力』と勘違いしてしまう人達だ。

意外かもしれないが、大企業に働いている人達で起業に向いているのは、花形の営業でも、素晴らしスキルを持つエンジニアでもない。実は、裏方で彼らを支えている人事総務、経理、法務などの専門職の人間である。

彼らは大企業では『間接部門』などと言われ軽んじられている。営業職など、俺達が食わしてやってるんだ、と言わんばかりである。が、いざ独立となると彼らの専門的技能は非常に選択肢が多いのだ。あらゆる団体で必要となるスキルなので、領域が決まっていて似たような事例も多い分、事業化も比較的簡単だ。

営業など、大企業をやめて独立なんてしようものなら、たいてい自分では何もできない事に気づくのである。大企業出身というプライドもあるので僕らはあまり邪険にもできず、非常に絡みづらい人になってしまうのだ。


■ 金がぜんぜんない人達。

起業にかかる金はケースバイケースなのだが、あまりにも金がない起業家というのは一体何を考えてるのか理解ができない。そもそも、金もツテもないのに事業を始める時点で、少々計画性に疑問を感じざるをえない。そんな計画性でこの先やっていけるのか、と考えれば、やはり多くの人はそうは思わないだろう。

もちろん、金がなくてもエンジェル投資家やクラウドファンディングなどで資金を集めるというのは一般的になってきた。しかし、これらはあくまで投資対象として見られる必要があって、つまりはある程度成長の余地を示せる実績が必要になる。

なんの実績も無いのに、自分もいつかはエンジェル投資家に出会って一億円の投資を受けられる!そしたら人を雇ってもっと大きい事をしよう!…などと夢見る夢子ちゃん化している人のなんと多い事か。昨今の起業家のエピソードを読みすぎて、現実と虚構の区別がつかなくなっている危険な状態である。

起業すれば儲かる、人とつながれば金を貸してもらえる、などという期待を1mmでも持ってそうな人達とは、できるだけ関わりあいになりたくない。僕はそういうのが嫌いなので、自然と僕の付き合う経営者たちもそういう人間を嫌っている人達になる。経営のセンスが本当にあるならば、本当に金が必要な時に、しかるべき手法で投資を受けられるよう準備しているものなのだ。

ひどいケースとして、起業家連盟でプロジェクトを創り、そのプロジェクトで不特定多数の人間から投資を募る呼びかけをやっているような所まである。プライドも信念も何もない。「僕らはまだまだ駆け出しの起業家なので、本当にお金がありません。夢見る若者をどうか支援してあげて下さい!」、と、いう事らしい。

僕にも声をかけられほとほと困ったのだが、そんな事に時間を費やすなら、自分の事業に心血を注いでみてはいかがだろうか?と、言ってやりたかったが無論言わないでおいた。くわばらくわばら。

 

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個人事業主から100人規模の社長まで、事業主というのは様々な形態がある。しかし、いずれも大切な事は、事業主としての義務、つまり利潤の追求(と納税)を絶やさない事である。

それがあって初めて信念や社会的貢献を貫き通す事ができる。

地に足を付けず夢と信念だけで小手先の経営に終始している気持ち悪い起業家群は、どうかその中で人間関係を完結させてほしいものである。