sametimeme's diary

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パラダイム・シフトが起こるとき。

 人には、劇的に考え方や感性が変わる瞬間がある。思い起こしてみれば、あなたにも二度や三度は有るはずだ。例えば失恋だったり、例えば転校だったり、例えばいじめの体験であったり、例えば親の死に目だったり、ひょっとしたら、戦争だったり、宝くじの大当たりだったり、出産だったり、はたまた犯罪行為だったり、宗教体験だったりするだろう。


 それまでの常識が一気に覆り、新しく目が覚めたような気分になる。今まで孤軍奮闘してきたのが、新たに仲間や指針を与えてもらったかのように、良くも悪くも前を向くことができるようになる。このような体験を、パラダイム・シフトと呼ぶ。(このエントリでは、主に個人の内面的な現象として扱う。)


 一線を超えて突き抜けるためにはこのパラダイム・シフトをどこかで迎える事が必要である。言葉では「きっかけ」や「動機」などで言い表される事が多いこのパラダイム・シフトだが、もっと重要に捉える必要がある。ただきっかけがあったり動機を備えていたりするだけでは、人はそう変われないものである。それまでやっていたように生活し、それまでしていたように思考する。それが人間の常なのだ。パラダイム・シフトはもっともっと、強力で不可逆的だ。


 よく、東大や京大など高学歴の学生の間で、信仰宗教汚染が問題になる事がある。一般的なサークルを装い勧誘活動を行い、ようやく受験勉強を終えたばかりの新入生たちが、洗脳され信者になってしまう。受験勉強に限らず、一つの領域で突き抜けた人間に全く異なる価値観をガツン!とぶつける事で、対象者にパラダイム・シフトを呼び起こすのである。


 パラダイム・シフトは、冒頭に挙げた例のように、多くの場合悲しい出来事で起こる事が多い。それは、そのぶん人間の感情を大きく揺さぶるからである。それまでの常識をいとも簡単に崩壊させる事ができるからである。簡単に思い浮かんだ以下のような例も、パラダイム・シフトの結果であろう。

  •  一人息子を亡くした悲しみから、新興宗教に走る。
  •  いじめられた過去の経験から、暴力を好む人間になる。
  •  戦争を体験したから、より平和活動に熱心になる。
  •  親が死んで、独り立ちして頑張ろうと思うようになる。
  •  失恋で、自分をより魅力的にしようと努力するようになる。
  •  犯罪を犯した経験から、より正義感を持って生きるようになる。
  •  家を火事で失う事で、財産の保持に敏感になる。


 悲劇は予測できない。自分が将来どういう悲劇に遭い、どうようパラダイム・シフトを迎えてどういう人間になるかなど、正直言ってわかるべくも無い事なのだ。



 だがひとつ、間違いなく言える事がある。
 人が変わるためには、パラダイム・シフトが不可欠である。



 社会・経済・言語環境や文化まで、インターネットとモバイルデバイスの発達によって凄まじい速さで情報の集積と拡散が繰り返され、それが実環境にもろに影響を与える時代となった。こういう時代を生き抜くとき、人は変わっていく必要があるのである。
 生物史において、生き残った種は、大きく強い種でも、個体数の多かった種でもない。変化に対応できた種である。…とは、ダーウィンの言である。パラダイム・シフトは、進化なのである。


 
 今、あなたは変化する必要に迫られている。そしておそらく、あなた自身もどこかでそれを感じ取っているだろうと思う。みんなそうなのだ。みんな、変化していかないと今までのようにぬくぬくと暮らしていける社会ではないと、薄々気がついてはいるのだ。でも、変われない。
 


 だから、パラダイム・シフトを楽しみにまとう。それが好ましいものだと、願っておこう。